
街中でも見かけることの多いヘッドライトのくすんだ車。
ヘッドライト(カバーやレンズ)の黄ばみや白ボケは、車の美観を損なうだけでなく、古びた印象を与えてしまいます。
しかし、ヘッドライトのくすみは、力任せに洗ったところで解消することはできせん。
ヘッドライトが黄ばんだり白くボヤけてしまう原因は、ほとんどの市販車が採用している「ポリカーボネート」という素材にあります。
ポリカーボネートは透明度に優れ、軽量で加工しやすく、ガラスの200倍以上もの耐衝撃性を備えていますが、紫外線に弱いのが最大の弱点です。
新車の段階では、UVカットのコーティングが施されているものの、走行中の塵や飛び石による傷、コーティング自体の経年劣化などにより、保護性能は徐々に低下。
紫外線を浴びたポリカーボネートは化学変化を起こし、表面が黄ばんだり白くボケたりしてしまうのです。
駐車場所の陽の差し方や車の向きなどによって、進行の度合いは変わりますが、ヘッドライトの黄ばみや白ボケは、宿命と言ってもよいでしょう。

くすんだヘッドライトが抱える問題は、見栄えが悪くなるだけではありません。
透明度が下がるため、光量や光りの拡散範囲が変わり、夜間走行の安全性が著しく低下していきます。
さらに、これからは“車検に通らない”というケースが出てくることも考えられています。
車検でのヘッドライトの検査は、これまでずっとハイビームの光量・光軸(照らす方向)・色味を測定していました。
しかし、交通量の少ない郊外や地方の道でない限り、夜間の走行時に点けているのは、大半がロービームではないでしょうか(※1)。
そうした実情に合わせて、2015年に保安基準を改正し、ヘッドライトの検査をロービームに変更(一部地域を除く)。
検査内容についても、対向車や歩行者を眩惑しないように、カットオフライン(※2)が厳しく測定されるようになりました。
それに伴い検査場の設備更新が必要となるため、2024年7月まで猶予期間が設けられていましたが、その期間も遂に終了。
今はロービームでの検査が基準となり、ヘッドライトがくすんでいるため「前回は車検が通ったのに、今回はダメだった」という残念な結果になることも十分あり得るのです。
※1/道路交通法では「夜間走行時は原則的にハイビームを点灯する。ただし、対向車や前走車がいる場合はロービームに切り替えること」とされています。
※2/カットオフラインとは、ヘッドライトを点灯したときの「明るい部分」と「暗い部分」との明瞭な境界線のこと。

ヘッドライトの黄ばみや白ボケを解消するためには、劣化したコーティングや化学変化を起こしたポリカーボネートを、キレイに除去しなければなりません。
カー用品店などに、ヘッドライトクリーニングの専用キットが売られており、実際にチャレンジしたことのある方も少なくないでしょう。
しかし、ヘッドライトに微細な汚れが残っていたため、余計に傷を付けてしまったり、所々に磨き残しがあったりなど、失敗談もよく聞かれます。
「見よう見まねでやってみたけど、期待した結果にならなかった」と残念な思いをする前に、ヘッドライトクリーニングはプロに任せた方が安心で、仕上がりも完璧です。

ダスキンのヘッドライトクリーニングでは、丁寧に下準備(汚れの除去やマスキングなど)を行ってから、専用クリーナーと数種類の耐水ペーパーを駆使して磨いていきます。
耐水ペーパーを扱う際に注意すべきは、番手(※3)の選び方です。
砥粒の粗い耐水ペーパーを使えば早くたくさん削れますが、深い傷が付いてしまい、ヘッドライトのさらなる劣化を招くことも。ダスキンの洗車のプロは、黄ばみや白ボケの程度に合わせ、最も適した番手をセレクト。
研磨の状態を目と指先でつねに確認しながら、徐々に砥粒の細かいものに交換し、劣化した部分だけを削り落としていきます。
繊細さを必要とするため、ポリッシャーなどの電動工具は使わず、作業はすべて手仕事です。
最後に超微粒子のコンパウンドでヘッドライトを鏡面状に磨き上げ、透明度を取り戻します。
そして仕上げに、専用のUVプロテクターやコート剤を塗布し、黄ばみや白ボケの再発を抑制。
「光るべきところをしっかり輝かせる」という信念で、ヘッドライトの透明度を復活させ、車を若返らせます。
※3/番手とは、砥粒の目の粗さのこと。数字が小さいほど粗く、大きくなるにつれて粒子が細かくなっていきます。

ヘッドライトの黄ばみや白ボケは、ゆっくり進行していくため、毎日見ているとその変化に気付きにくいものです。
劣化を抑えて透明度を維持するためには、ヘッドライトも定期的にクリーニングすることをお勧めします。
また、自動車の修理や車検関連の事業所様は、お客様へお車をお返しする際、洗車とセットでヘッドライトもクリーニングすれば、必ず喜ばれるでしょう。